地蔵盆-59

寺社

町内のあちらこちらでテントを張ったり、提灯をつるしたりと、にわかに賑やかでございます。寄り合いのごとくなんだかんだと話し声。風に乗って漂う線香の香り。並べられた子ども向けのお菓子。地蔵尊と書かれた提灯。本日は、お地蔵さんに感謝を捧げる縁日であります。

暑い暑いと言いながら、地蔵盆の準備をする町内のお世話係の方々は、なぜか楽しそう。多分、日々の暮らしが忙しく、こういった行事の時しか、集まってお話をする機会がないのでしょう。積極的に準備で動く姿勢に、徳を積んでいる感じが致します。きっとお地蔵さんからのご褒美があるかも。

いつもは道端にひっそりとしたお堂。その風景はこの時だけは、賑やかでお祭りみたい。お堂の中にいるお地蔵さんも綺麗にしてもらって、前掛けも新調してもらって、なんとも嬉しいことでしょう。テントも張れた、提灯もつれた、お供えもいっぱい。さあ!子どもたち!お菓子をもらいにお地蔵さんのところに集合だ!とお世話係の大人たちは、お地蔵さんの前で世間話をしながら、地蔵盆を過ごすのであります。

昔からお地蔵さんは、地獄の鬼から子どもを救う、守り神とされてきました。子どもたちにつきまとう危険から守ってくれる存在なのです。地蔵盆は子どもを主役に平安時代から信仰行事として浸透してきたようです。昔も今も「子どもを守る」という気持ちは変わりませんね。で、子どもがお参りしやすいようにお菓子を沢山お供えしているんでしょうね。

私も子どもの頃、縁日にお寺にいけば、お菓子をもらいました。お菓子もらえるからお寺に行くみたいな理由になっていました。今、思うと、お地蔵さんに「いつもありがとう」と言ってきなさい。そうすると、お地蔵さんから、お供え物のおすそ分けを頂けるよ。ということだったんでしょうね。まあ、「子どもには、お菓子もらえるから手を合わせてきなさい」が一番伝わりやすいですね。

思い起こせば地蔵盆の風景は懐かしい気持ちになります。お菓子の思い出も夏の風物詩の一つです。この提灯が夏の終わりを告げる、合図なのかもしれません。されどいつ頃から「お寺に行ったら、お菓子もらえる」というワクワク感がなくなってしまったのでしょうか、と思ったりします。子どもの頃は夏が終わることに、なんか寂しさを感じていたような気がします。最近は季節の変わりの無常さに慣れてしまったのかもしれませんね。

昨日、やりがいのある新たなお仕事のお話が進みました。ご縁に感謝であります。私も今日はお地蔵さんに感謝をと思います。お菓子もらえるかな。ワクワクしてこようと思います。

まだまだ残暑厳しいですが、確実に季節は進んでおります。来週は台風上陸です。2018年のような被害が起こらないことを祈ります。では、また。

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