12月10日、M&Aの日-93

仕事

企業も人生と同じように、始まりがあれば、成長し、やがて次の世代に受け継がれる時が訪れます。今日は、そんな企業の「次のステージ”を考える日」12月10日、M&Aの日です。

全国で100万社を超える後継者不在の中小企業が抱える課題として、「事業承継の壁」があります。これを乗り越えるための選択肢として、M&Aの存在をより多くの人に知ってもらうことを目的に、仲介事業を営むM&Aキャピタルパートナーズ株式会社さんがこの日を制定しました。

マーケティング用語で“プロダクトライフサイクル(PLC)”という概念があります。製品は「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」という4つの段階を経ますが、この考え方は企業にも当てはまります。企業も、創業という“導入期”から市場での地位を築く“成長期”、事業の安定する“成熟期”を迎え、やがて次の世代へのバトンを渡す必要に迫られる“転換期”が訪れるのです。

企業は、創業者や経営者だけのものではありません。
社員、家族、取引先、そしてお客様……多くの人々の人生と深く結びついています。私は事業承継の支援に携わる中で、何度もその重みを感じてきました。

事業承継を考えるとき、経営者は多くの感情に揺さぶられます。
「自分がいなくなった後も、会社は続くだろうか」
「あの社員たちはどうなるのだろう」
「先代が築いたこの会社を守りたい」

そんな想いが複雑に絡み合い、簡単に結論を出せるものではありません。

しかし、企業にとって「未来を託す決断」は、いずれ避けられない重要なテーマです。後継者が身内にいるケースもあれば、外部の力を借りなければならないこともあります。その選択肢の一つがM&Aです。

M&Aという言葉を聞くと、「買収される」「会社が無くなる」といったネガティブな印象を抱く方もいるかもしれません。確かに、昨今、志のない仲介業者もいるのは事実です。

ですが、私はむしろM&Aを「未来への架け橋」だと思います。経営者が培った事業の魂を次世代につなぐ—そこには、経営者の意志や想いがしっかりと息づいているのです。

経済産業省もM&Aに対する新たなガイドラインを2024年8月30日に改定し、より安全なルールが定められました。経営者の「大切な選択」を守るための環境も整いつつあります。

誰しも会社を手放したいわけではありません。
ただ、経営者もいつかは第一線を退くときが来ます。そのとき、「会社が誰かに受け継がれ、さらなる未来へと成長する」という選択肢を視野に入れることで、新しい可能性が開かれるのではないでしょうか。私は、事業承継は単なる経営の引き継ぎではなく、「想いの承継」だと信じています。経営者の人生そのものであり、社員や家族の希望を未来に託す行為です。その決断の一歩を、誠実に支え続けたいと思っています。

未来への物語は、まだ始まったばかりです。ゴーインコンサーン!

今日は、M&Aという未来への選択肢を、ぜひ視野に入れてみてください。

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