1日参りの5つの楽しみ-108

寺社

本日は恒例の氏神さんの1日参り。元旦の賑わいがウソのように静かな風景が広がる。冷たい空気が頬を刺し、より凛とした厳かさを感じさせてくれる。

1日参りには、いろいろな目的がある。
1つ目は、日ごろの感謝の気持ちを伝えること。
2つ目は、社務所のお母さんと挨拶を交わすこと。
3つ目は、掲示板に書かれた『今月の言葉』に触れること。
4つ目は、鎮守の森の鳥の声を聴きながら深呼吸すること。
そして最後の5つ目は、写真を撮ること。

今日の1日参りをひとつずつ振り返ってみようと思う。

1つ目:日ごろの感謝の気持ちを伝えること

拝殿の前に立ち、ゆっくりと深呼吸をする。二礼二拍手。一瞬の静寂のあと、柏手の音が境内に響いた。我ながら、いい音になってきた気がする。

先にお参りしていた方が、すっと横にずれて順番を譲ってくださった。自然と「どうぞ」と会釈を交わす。神様の前では、こうした小さな気遣いが自然と生まれる。清々しい気持ちになる瞬間だ。

手を合わせ、心の中で言葉を紡ぐ。
家族が元気でいてくれること。
ご縁ある人たちが健やかであること。
そして、自分の健康診断の結果が良かったこと。

感謝の気持ちをひとつずつ伝えながら、思い浮かべる人数分のコインを賽銭箱に入れる。なんかどっしりとした低音が響く。些細なことだが、手放すことは気持ちがいい。

2つ目:社務所のお母さんの笑顔

年の功は70歳くらいだろうか。なんとも上品で、可愛らしい笑顔のお母さんが「ようお参り」と声をかけてくれる。この挨拶が楽しみで仕方ない。帰り際には、こちらからも自然と「ありがとうございました」と声が出る。温かい言葉のやり取りが、心に残る。いつまでも元気でいてほしい。

3つ目:掲示板の『今月の言葉』

今月の言葉は、『降り積もる深雪に耐えて色変えぬ 松ぞ雄々しき 人もかくあれ』

調べてみると、昭和天皇が終戦の翌年に詠まれた御製(和歌)だという。戦時中の苦労が雪のように降り積もり、それでも敗戦の悲痛に耐え、国土を復興させようと立ち向かう人々の姿を、緑豊かでたくましい松になぞらえたもの。国民を励ますために詠まれた歌だ。

時代背景を考えると、より一層その言葉の重みが伝わってくる。逆境に立ち向かう姿勢は、今の時代にも通じるものがある。

氏神さんの掲示板の言葉は、毎月、僕の心に気づきや刺激を与えてくれる。

4つ目:鎮守の森の空気を感じること

今日は、なんと拝殿の裏の草むらで狸と遭遇。いつもなら元気に鳴いている鳥たちの声を聴きながら深呼吸を楽しむのだが、今日は寒さのせいか鳥たちも静か。

その代わりに現れたのが、狸。まさかの主役交代に思わず笑ってしまう。
深呼吸どころじゃない。心なしか血圧も上がった気がする。

春になれば、また鳥たちの賑やかな声が戻ってくるだろう。

5つ目:写真を撮ること

同じアングルだが、やはり楽しみだ。

今日は木々と空をモノクロで撮ってみた。
一枚は、光と影のコントラストが際立つお気に入りの一枚。
偶然にも、遠くに飛行機雲が写り込んだものもある。
鳥居と雲のコラボは、なんだか神秘的だ。
そしていつもの社殿の写真も、冬の光が加わることで違った趣を見せてくれる。

やっぱり写真は楽しい。

10分くらいの参りの時間だけど楽しみが詰まっている

1日参りにかかる時間は、ほんの10分ほど。それでも、感謝を伝え、言葉に触れ、自然を感じ、温かな交流をし、カメラを構える。このひとときが、自分にとって大切な節目になっている。また来月も、この場所で、変わらぬ時間を楽しもう。

毎月1日、同じ場所で、同じ時間に、同じ感謝の気持ちを伝える。
同じ人と挨拶を交わし、同じ掲示板に目を向け、同じ森を感じ、同じアングルで写真を撮る。それなのに、毎月少しずつ違う発見がある。

この積み重ねが、なんだか宝物のように思えてくる。
そして、来月の1日が待ち遠しくなる。幸福感を感じる、イッツ・ア・スモールワールドだ。

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