行き合いの空-57

日常

昨日、どっしりとした夏の雲と秋独特の筋雲が広がっている行き合いの空を見ることができました。空の上ではどうやら、夏と秋の模様替えが行われているようです。夏雲が天下をとったかのように青い空を我が物にしていました。その勢力は時が経つにつれ衰え、次は自分の番だと虎視眈々と狙っていたかのように鱗雲や筋雲が出現し、夏雲を跳ね除け自分たちの天下としていく。そんな空模様の物語を想像しながら、眺めていました。

こうやって空を眺めると、移り変わっていく儚さみたいなものをしみじみと感じることができます。これは自然の世界だけではなく、我々のいるこの世界も同じくであります。仏教用語で諸行無常という言葉があります。これは、「すべてのものは常に変化している」という意味を持ち、変化のない事象は一切ないということを説いています。

会社経営に例えますと、業績上向き事象に喜び、このまま続いてほしいと思います。しかし続きません。次の課題がやってきます。個人の話で例えると、老いたくない、このまま若くありたいと嘆きます。しかし老います。いくら喜んでも、いくら嘆いても、すべて一時的な事象であり変化の過程にすぎないのです。空が夏の雲から秋の雲に徐々に変わっていく過程と同じです。

では、絶対的に変化していく事象を、どのように向き合い、自分に落とし込むことができるでしょう。私は修行を積んだ僧ではりません。どうしても移り変わり行く事象に執着してしまいます。健康にも若さにも家族にも愛にも業績にも、変わってほしくないと。変化するとわかっていながら、変わりゆく状態を認識した時にその無常から現実逃避をしたい気持ちになります。

行き合いの空という季節の移り変わりを感じた時、「あー夏の終わりなんだな」と感傷的になるのか、「あっ、秋の始まりだ!過ごしやすくなるぞ!」っとワクワクするのか、自分の捉え方しだいで、この「今」は変わりだすのだなと思ったりしました。そう考えると、自身の執着も「どう受け止めるか」または「どう受け入れるか」で未来が変わる。どの道変わるなら逃げることなく受け入れるしかないのだ。と空は僕に観念を促す

無意味な抵抗力にエネルギーを使わず、変化を受け入れて、どのように解釈してプラス方向に舵を切るか。これが諸行無常っていうやつとの戦いなのだと思うしだいであります。神様の世界は「神代在今」(かみよいまにあり)という、今この瞬間こそ理想の世界、現在がすべてである。という教えがあります。過去に後悔し未来に不安を感じ、今を後悔と不安を抱えながら生きてしまうのは、神様が言う理想の世界でなくなっているのです。

行き合いの空は、今しか見れないよ!と言わんばかりの、なんとも綺麗な空模様でした。その風景は、後悔という過去への執着、不安や期待という未来への執着!成功も挫折も、喜びも悲しみも、健康の良好も不調も、すべて手放し、今のこの瞬間を活き活きと生きよう。というメッセージにも見えました。

まあ、いらんこと考えず、青い空をぼっーと眺めることもたまにはヨカですね。では。

コメント

タイトルとURLをコピーしました