浅野日本酒店で「風の森」と出会う-53

酒場

「飲まされたら嫌だなあ、日本酒だけは…」という、僕の中の日本酒に対する昔のイメージが、最近、完全に払拭している。払拭しすぎて「あー、なんて美味しいんだ、日本酒は。」に変わっている。「美味しすぎる日本酒」が多すぎて困ってしまう。日本酒との出会いは、子どもの頃のおいしいジュースにありつけた感覚と似ている。またひとつ、日本酒との出会いを演出してくれるお店を見つけてしまった。浅野日本酒店。これはたまらん。

ここにくれば日本酒のうんちくを知らなくていい。ただただ、店員さんのおすすめを飲めば日本酒好きの一員になれる。

日本酒はお米を原材料に、造り方によって種類が違ってくる。醸造アルコールが入っているか、お米の磨きは何パーセントか、などを軸に種類分けされている。種類は、普通酒、本醸造酒、特別本醸造酒、純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒とまあまあある。全国の酒蔵の数は1394カ所とのことだ。銘柄の数は1万以上と言われている。そりゃ、どれを飲んだらいいのかわからんはずです。

そんな中、浅野日本酒店が取り扱う種類は純米酒だ。そう、純米酒にこだわった純米酒専門店なのだ。

うんちくは知らなくていいと書いたが、少し説明しておくと、純米酒はお米の旨味やコクを最も味わえるお酒とされている。飲みやすく、フルーティーな味わいが魅力だ。また、吟醸、大吟醸は発酵の仕方により独特の香りを楽しむことができる。プラス、純米酒は食中酒にぴったりで、お料理とのペアリングがマッチグーでございます。酒場アラシーズは純米酒、特に大吟醸が好みでございます。フルーティーさが美味しすぎる。

となると、浅野日本酒店は純米酒専門店、そりゃ、美味しい~って!フルーティーやって~!半端ないって~!どんなけ銘柄あっても、全部純米酒~!どれ飲んでも安心~!ということで店員さんに安心してお任せ!ちなみに今回の店舗は「浅野日本酒店SANNOMIYA」、やさしい女性の店員さんの店だ。

まずは、兵庫灘の泉酒造の「仙介」3種飲み比べ!1口ずつ飲んでみる。当たり前だが、すべて味わいが違う。どれも美味しい。期待を裏切らない。特に緑の瓶のタイプはやや濃い感じで口の中でじゅわっと広がる感じ。「美味しすぎるって~」

そして、お料理も絶品。「とろさば燻製」こちらはサバ専門「SABAR」から仕入れているようだ。たまらんす。うますぎる。もう1品、「紅茶鴨スモーク」これ、たまらん~って、純米酒に合いすぎるって~。

さて、ペアリングも楽しみ、もうすでに「ほろ酔い完成!」でございます。が、せっかくですので、もう1銘柄お願いしました。なんとも名前が素敵すぎる、奈良御所の油長酒造の「風の森」でございます。「風の森」を日本酒の銘柄にしてしまう、センスが素晴らしい。

こちらも3種飲み比べでございます。うなりました~広がり方すごい~って。とくに白ラベル!こちらが「風の森」のスタンダードのようですが、口の中で少々、炭酸のような刺激が広がります。そして、ほどよくフルーティーで、ドはまりの極みでございます。口の中の余韻が最高です。ピンクの文字で書かれた風の森は試験販売的なものらしいです。そんな貴重なものも飲めるのか。

「風の森」のお米の名前が「秋津穂」っていうらしく、奈良の金剛山の麓の田園風景が浮かんできます。醸ってますね。ほんと「醸る」という言葉が似合う日本酒です。いやー「風の森」ファンになりました。

浅野日本酒店は飲めて買える店です。店内はたくさんの銘柄があります。試飲もできます。酒場アラシーズのように、しっかりとせめた飲み方をするのもよしです。これぞ休日の楽しみ方、しっかりと浅野日本酒店を満喫しました。

日本酒のイメージって、一升瓶に徳利に盃だけど、ここは違う。一升瓶は置いていない。四合瓶に拘っている。徳利と盃ではない、ワインのようにグラス飲みだ。カジュアルだ。盃を交わすという、硬い言葉があるが、酒場アラシーズとしてもグラスで乾杯の方が粋だなと感じた。これだけ日本酒との付き合い方を変えてくれたお店は今までなかったんじゃないかな。新しい文化継承のモデルのような感じがしました。

そんなこんなで浅野日本酒店のおかげで、僕の中の日本酒に対する昔のイメージが、最近、完全に払拭!おまけに「風の森」と出会えたことは、なんか新しい日常の楽しさを見つけたような気がしました。そんなことを思いながら、ほろ酔いで帰路についた。少し風が涼しく、虫の声が綺麗だった。少しづつ季節が進んいるような。

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