本日は二十四の季節に分けると大暑となります。字のごとく、夏の一番暑い季節を意味しています。連日、メディアのニュースで言い続けているとおり、危険なほどの猛暑であります。灼熱の日差しが強烈に照り付ける日々でございます。このような大暑に、いかに「涼しさ」を表現するかということにチャレンジしたいものです。「暑い、暑い」と口に出してばかりでは、ビジネスに例えると、マイナス言葉を連呼していることと同様かもしれません。発する言葉は慎重に選びたいものです。しかし、暑い。
とは言え、この大暑、暑さを助長するかのように蝉は鳴き続けます。蝉の一斉に鳴きだす合唱のような鳴き声は、まるで雨音に聞こえます。これは蝉時雨といい季語として使われています。蝉の俳句で有名な句は松尾芭蕉ですね。芭蕉様、さすがに大暑においても「涼」を感じる句を残しています。
確かに蝉の合唱はうるさく聞こえるのですが、自身の捉え方や、自身がいる場所などが変わると、「動」が「静」に、「暑」が「涼」に変わっていきます。このような大暑でも、山寺は凛とした静けさがあり物音ひとつなく、風が通る音のみ微かに聞こえる。そこに打ち解けるかのうように蝉の声が響く。そのような情景を浮かべると、不思議と蝉の合唱も「涼」を感じるのかもしれません。このように「暑い」を「涼しい」に変換できるマインドも持つようにしたいですね。
ところでこの蝉についてですが、あんなに元気よく鳴き声を響かせるのですが、ひと夏の儚い命であることが知られています。「生き物の死にざま」という本の中で蝉の章があります。この本は命のバトンをつなぐためにというテーマで生き物の死に際について書かれた本です。子育てをする珍しい昆虫、ハサミムシやメスに食われながらも交尾をやめない雄カマキリ他にも動物、魚と命についての哀切です。
中でもこの蝉についてですが、生態はよくわかってないのが事実のようです。幼虫時に何年も土の中で過ごすことから調査が困難なそうです。約7年ほど幼虫として土の中に過ごし、やっとでてきたかと思うと死んでしまう。これは一体何を意味するのでしょうかね。
成虫になってオスは大きな声で鳴いてメスを呼び寄せます。そしてパートナーとなり交尾が行われます。メスは産卵し役目を終えた蝉たちは死を迎えます。しだいに声も小さくなり、飛ぶ力もなくなり、地面に落ちてひっくりかえって動かなくなります。
他に昆虫に比べ、幼虫時代から比較すると長生きではりますが、成虫になるための7年を土の中で時間を費やし、暑い夏に成虫になり、短い時間で子孫を残す。なんとも生命をつないでいくことの尊さを感じます。
大暑の季節、唸る暑さではりますが、うるさい蝉の声も切なく聞こえるようになると、僕も芭蕉のようにいい句が書けるかもです笑 駅に向かう歩道で見つけた蝉に、「がんばれよっ」とつぶやきました。そうすると「おまえもがんばれよっ」と言われているかのように小便をかけられました 笑
暑さが続きますが、いつしか蝉の大合唱も聞こえなくなるでしょう。季節も儚いものです。今日、今を精一杯何かに夢中に生きてきたいものです。
今日もいい日でありますように。
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