昨日、弊社顧問先の社長様から朗報を頂いた。内容は、予ねてより商談中だった、冷凍食品OEM案件の受注確定だ。
非常にうれしい。電話の向こうの社長の声も上ずり、興奮している様子が窺える。
それもそのはずだ。相手は全国展開している、某有名飲食チェーンの大企業だ。丁寧に丁寧に商談を進め、約1年がかりで勝ち取った案件だ。当然、喜びもひとしおだ。
受注確定までの道のりは課題の連続だった。
例えば、味を含め、品質の確立である。これは、発注者のブランドに大きく影響を及ぼすものであるため、ブランドイメージに整合した、味と品質の提案が不可欠となった。
レジピに沿って何度も何度も試作研究を重ねていく。原材料の調達も様々試してみる。当然、同時並行で製造原価のそろばんもはじいていく。
相当数のシミュレーションを準備し、商談を繰り返し、パターンを絞っていく。テーブルに乗ったパターンのみ、味の承諾を得て、見積りを繰り返していく。
言葉ではこういう流れだが、仕事とはそう思う通りに運ばない。例えば、原材料の高騰で、仕切り直しを余儀なくされる。これはかなり、キツイ。他にも、製造量に見合った仕入れが約束できるのか。製造のプロセスは自社の食品製造工場で可能なのか。当然のごとく出てくるボトルネックをどう解消していくか。進めば進むほど、たのみもしない大きな壁が立ちはだかる。
まさに3歩進んで2歩下がるの繰り返しである。その都度マインドセットが必要だ。1つ1つ課題と向き合って、「できない」ではなく、「できるにはどうするか」という問いに変え、事業部の社員を一丸として引っ張っていく。ここは社長のリーダーシップの力量だ。
社長の心中は、とてつもないプレッシャーだった。「本当にこの仕事を獲得できるだろうか」「競合に勝てるのだろうか」「わが社において相応しい案件だろうか」「やるべきなのか、そうでないのか」、あらゆる不安との戦いだった。
本当はそのような心中であるが、社員の前では一切、不安気な素振りや言動は見せない。大したリーダーシップだ。
私とも相当な時間を費やし、リスクの議論をした。いつしか社長は腹を括っていた。
「やるしかない」いたってシンプルな結論を元に、他の案件を入れず、工場稼働を機会損失させた。
この腹のくくりの結果、受注確定という成果を招いた。
ここに至る背景に、従業員の品質と納期に対するやり遂げる力、仕入れ業者様の及びこの案件確定をつないでくれた、某調味料メーカー担当者の尽力。たくさんの人のお陰様があった。関係者全員にお礼を自分の言葉で伝えたそうだ。
こんな気持ちのいい出来事に共感できることに私も感謝だ。
近い将来、スーパーやコンビニに取引先様が製造した冷凍食品が、有名メーカーのブランドの名前で販売される。なんとも嬉しい。そして、非常に待ち遠しい。
社長、走り出したら課題は必ず出てきます。一緒に解決に向けて努力していきましょう。
まずは、おめでとうございます!
朗報をありがとうございます!
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